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「今治みらい発掘プロジェクト12」上浦、大三島、関前地域のフィールドワークを開催しました

令和6年5月18日(土)に、上浦、大三島、関前地域のフィールドワークを開催しました。

本日のスケジュールはこちら。
穏やかな島時間を実感する1日となりそうです。

今回は上浦・大三島・関前の地域が合同でフィールドワークを行うため、一旦大三島支所に集合してからチャーター船で関前岡村島に向かいます。
船での移動中、談笑している様子が見られました。

関前開発センターには隊員の檜垣さんを中心とした婦人会や地域の方々が、早朝から朝ご飯を作って待っていてくださいました。
おむすびのひじき、お味噌汁の味噌、ふのり、ゼリーの天草などこの地域で採れたものを贅沢に使ったメニューです。

そんな朝ごはんを食べながら、フィールドワークのオリエンテーションを行います。
今回は食のサポーター三上奈緒さん、歴史のサポーター横田圭佑さんが一緒に参加してくださいます。

地域の産品を使った朝食でお腹を満たしたら、まずは近くにある「島のちいさな貯金箱館」に歩いて向かいます。

ここは隊員の檜垣さんが営んでいるところで、展示されている貯金箱の数はなんと2,333個!
貯金箱以外にも耳かきやキーホルダー、檜垣さんの作品であるシーグラスのランプなど様々なものが展示されています。
写真撮影可能ということで、隊員たちも檜垣さんに質問しながらたくさんの写真を撮っていました。

貯金箱館見学の次は、岡村島の街並み散策です。
珍しい「こて絵」を巡りながら、岡村島の街並みを隊員の島崎さんに案内していただきます。

「こて絵」とは、左官が壁を塗る「こて」を使って描いた絵のことで、縁起物や花鳥風月が描かれています。
この地域にある絵は左官さんが得意な絵を描いているそうで、今回見て回っただけでも様々なものがありました。
ちなみに、島崎さんが子どもの頃は「鶴の家に集合!」などと目印になっていたのだそうです。

続いて大三島の「大山祇神社」と関係の深い「姫子島神社」へ行ってお参りをしたり、朝食を作ってくださった隊員の加藤さんが営んでいる「関前食堂」へ寄ってみたりと、様々な場所を巡って岡村島をあとにしました。
ここからはチャーター船でしばらく船の旅です。

船上で潮風を感じながら景色を楽しむ隊員たち。勢いよく進む船に、子どもたちも楽しそうです。
海上から石灰を運び出すためのサイロ跡を見たり、大下島灯台やアゴノ鼻灯台を見たり陸から見るのとは違った雰囲気のスポットを見て回りました。

そうしてあっという間に「大三島宮浦港」に到着です。
ここからは今治北高等学校大三島分校  島デザイン部の生徒さんによる参道ガイドを楽しみながら「大山祇神社」を目指します。

「大山祇神社への参拝は一の鳥居からスタートします」と話すガイドさん。
この「一の鳥居」は一本の石から作られた鳥居で、繋ぎ目がないのが特徴とのこと。

そこから参道を進んでいくと、右手に見えてきた古い建物。
こちらは「鈴木薬舗」という昔の薬屋だそうです。
建物の特徴から、当時は商家でかなりのお金持ちだったことがうかがえる貴重な建物なのだとか。

さらに進んでいくと、左手に「三島湯」という建物が。
ここは銭湯でありながら、かき氷だけで商売ができてしまうほどのかき氷の名店だったのだそう。
今もその名残りがあり、窓から中を覗くと壁にかき氷のメニュー表が残っていました。

そして最後はメインの「大山祇神社」です。
二の鳥居の側にある石碑に刻まれた「大日本総鎮守大山祇神社」という文字は、伊藤博文が書いた文字として有名なのだそう。

ここで三島宮司から、大山祇神社についてお話をしていただきます。
大山祇神社の歴史や皇室と縁があることを聞いた隊員からは「改めてすごい神社なんですね」という声が聞こえました。

三島宮司のお話のあとは、いよいよ国指定重要文化財の大山祇神社拝殿へ。
日本総鎮守というだけあって、立派な社です。

本日はここで歴史のサポーター横田さんから「瀬戸内のジャンヌダルク 鶴姫伝説」というテーマでお話をしていただきます。
鶴姫は16歳で自ら甲冑を身にまとい敵の武将を撃退したことで有名ですが、その最期はいろいろな説があります。
「真相はいかに」ということですが小説やドラマ、ミュージカルなど様々な媒体で楽しむことができるので、その諸説自体楽しんでみてほしいとのお話でした。

鶴姫伝説についてお話を聞いたあとは、みんなでお参りです。
皆さん何をお願いされているのでしょうか。
次は午前中最後の目的地「イノシシの解体施設」へ向かいます。

ここは隊員の渡邉さんが所属する「しまなみイノシシ活用隊」の拠点となる施設です。
本日は解体の様子を見ることはできませんでしたが「昨日も3匹解体しました」と話す渡邉さん。
解体したイノシシは注文が入り次第全国に発送したり、自分達で活用したりしているのだそう。

こちらは解体して冷凍保存されている猪肉です。
渡邉さん曰く、このような塊肉を美味しく食べる方法としては「真空低温調理」がおすすめとのこと。
ローストビーフのような柔らかい食感を楽しめるそうですよ。

ここでちょうどいい時間となったので、上浦開発総合センターに移動してみんなで昼食をいただきます。
食のサポーター三上さんは、隊員の皆さんと談笑しながら食に関する情報を収集している様子。

昼食を食べ終わったところで、上浦町井口地区の越智さんから「かみうら海道夢太鼓」と「獅子舞」の紹介がありました。
上浦町の立派な和太鼓や地域の伝統芸能として受け継いできた獅子舞は、島に残る若手によって守られているのだとか。
実際に演奏や舞を披露してくださいましたが、圧巻の演舞でした。

ここで太鼓を叩かせてくれるとのことで、三上さんや子どもたちが挑戦。
力強く太鼓を叩くたび、いい音が響き渡っていました。

最後に恒例の掛け声で記念撮影をして、次は井口港周辺の飲食店を巡ります。
皆さん、ありがとうございました!

井口港周辺の飲食店巡りでまず最初に訪れたのは「農家RISTORANTE Ve.G.I」です。
ここは農家もされているオーナーシェフの森岡さんが「地元で採れる、新鮮で美味しい野菜を食べてほしい」という思いからオープンしたお店で、野菜を使ったパスタやオーブン料理が食べられるのだそう。

次に訪れたのは「パン屋まるまど」です。
ここは元地域おこし協力隊だった小松さんが、当時この地域にパン屋がなかったことからお店をオープンしたのだそう。
今までに250種ほどのパンを作ってきて、店頭では常に25~30種類のパンが並んでいるのだとか。

この日は発掘隊のために、甘夏のジャムを使用した新作の生ドーナツを提供してくださり、食べた隊員は「美味しい!」と大絶賛。
その美味しさに隊員だけでなくスタッフもパンをいくつも購入していました。

そして最後に訪れたのは「PIZZERIA TAKIBI」です。
先月の23日にオープンしたばかりのお店で、オーナーの井上さんは「地元に貢献したい」という思いからUターンし、地元食材を使ったメニューに力を入れているのだとか。
井口港周辺には他にも美味しいお店がたくさんあるので、皆さんもぜひ足を運んでみてください。
井口港周辺散策はこれで終了です。次は「WAKKA」に向かいます。

「WAKKA」では、代表の村上さんからこの施設ができるに至った経緯をお話ししていただきます。
しまなみ海道は、まだまだ自転車に関する施設が少ないことから「自転車の体験・ツアー・ご飯」が楽しめる施設を作りたいと考え、今でも試行錯誤しながら頑張っているのだそうです。
また「WAKKAが雇用などの面で、この地域のプラス要素になれたらいいなと考えています」と語られました。

このあと、自転車を運ぶことができるタクシーやレンタサイクル、カフェや宿泊施設などを見学させていただきましたが、宿泊施設のクオリティの高さに隊員からは感嘆の声が上がっていました。
WAKKAの施設を一通り見学できたところで、本日の最終目的地である「井上苺園」に向かいます。

井上苺園では、代表の井上さんからお話を伺います。
ご両親が元々営まれていた苺農園を継いだ頃に「大三島には苺農家が7軒もあるのに知らない人が多い」という現状に驚いたことから、まずは地元から苺を広めていこうと決意したとのこと。
今では苺狩りに県内外から多くの人が訪れる農園になったのだそうです。

井上さんのご好意で苺狩りを体験させていただけることになり、少し疲れて元気がなかった隊員たちもたちまち元気に。
苺の摘み方を教えてもらい、美味しそうな苺を求めて園内を楽しそうに散策していました。

収穫したばかりの苺を口に含むと、じゅわっとした甘い果汁が口一杯に広がりなんとも絶品。
皆さん感激した様子で頬を緩ませていました。

苺を満喫したら少し寄り道。歴史のサポーター横田さんから、井上苺園の近くにある古城島には「甘崎城」という日本最古の海城があったという説明がありました。
「甘崎城」は「海中縄張り」という城に続く道が満潮時には海中に沈む珍しい構造をしていたそうで、今でも年に数回は干潮時に陸続きになるとのこと。

美味しい苺を食べ、歴史について触れたところで「大三島公民館」に移動し本日の振り返りを行います。
各自で気に入った瞬間を選び、写真を出力します。

みんなで写真を貼って情報を書き込むと、あっという間に素敵な記録が出来上がります。
これを見るだけでどこへ行って誰と会って、どんなことをしたのかが一目瞭然です。

そんな素敵な記録を囲んで、恒例の「結ぼう、今治!」の掛け声で締めくくりました。
皆さんとてもいい表情で写真に納まっています。

今回で全ての地域のフィールドワークが終了しました。
次に行われるワークショップは令和6年7月6日(土)です。
次回までに「地域の産品で作るおすすめのおむすびの具材を考えよう」という宿題が出されていますので、今回参加していない隊員の方々もぜひ考えてみてください。
しばらく時間が開きますが、楽しみにお待ちください。

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